ろn
英国骨董おおはら
銀製品
銀のつぶやき
 
取扱商品のご案内
大原千晴の本
 
大原照子のページ
お知らせ
営業時間・定休日など
ご購入について
地図
トップページにもどる

 

 

大原千晴

アンティークシルバー物語

主婦の友社

人物中心で語る銀器の歴史

■■■■■■■■■■

大修館書店
「英語教育」3月号

食卓の歴史ものがたり

連載第12回

16世紀フェラーラ候家

結婚の宴

 

不定期連載『銀のつぶやき』
第119回「草の根USAの震災支援」

 

2011/5/23 
 

 ある本のことをネットであれこれ調べていたら、アメリカの地方紙というよりも、地域のコミュニティ・ペイパーと呼ぶべきホームページにたどり着きました。毎週発行される「週刊e新聞」です。いろんな情報が出ています。ニュースも掲載されてます。

 

 まるで映画のワンシーンを切り取ったかのように見える上の写真、これが今週のトップニュース。そこには、次のようなキャプション:2000本の国旗がはためく「英霊園」にたたずむ警察本部長。そしてその下に「2011年英霊記念日」と題して、各地域別の英霊慰霊式典の日時と概略紹介の記事。警察、消防、そして兵役で亡くなった英霊を慰霊する行事が広く行われていることが分かります。

 その一方で、地元高校生によるこんな楽しげな催しも紹介されてます。1943年以来続く地域の「一大行事」みたいです。

 そして何といっても目立つのが、リストラ関連記事。「ボーイングの工場で人員削減、62人が職を失う」、「地区教育委員会はバンソル中学の図書室で5月23日開催予定。州の補助金カットに伴う予算削減案について討議する。」、「予算の削減措置に伴い、ノースリッジ教育委員会は専任スタッフの削減を決定」。我々の国と同様、景気の暗さがうかがわれます。

 そんな中に、「郡内でも日本の被災地への支援活動」というタイトルを発見。ページを開いてみました。記事を見て、泣けちゃいました。というのも、これは、あの広大なアメリカの片隅にある小さなコミュニティで、東日本大震災支援のための街頭募金活動が行なわれるという、その予告記事だったからです。概略すると次のようになります。

 日本ではまだまだ大変な状況が続いている。郡内(county)ではこれまでに米国赤十字等を通じて$18,000-を日本に送っているが、さらに援助が必要。今週下記の場所で街頭募金が行われる予定。
・1-7 p.m. May 23 at the County YMCA
・2-7 p.m. May 23 at Elementary School(小学校)
・1-7 p.m. May 24 at the Church of Jesus Christ LDS(教会)
・10 a.m. to 4 p.m. May 27 at the County Services Building (郡サービスセンター)
・Noon to 6. May 31 at the Marysville Public Library(図書館)

 要するに、この文章を書いている、2011年5月23日の時点で、このアメリカの片田舎の郡のあちこちで、東日本大震災支援の街頭募金活動が行われている、ということになります。凄いなと思いました。そして、この記事には読者がコメントを付けられるようになっています、ウェブ上の地域e新聞ですから。私が目にした段階では読者のコメントが3通掲載されてました。

(1)「あれだけの震災が起きてるってのに、日本じゃどうして、暴動・略奪・放火・レイプが起きないんだ。アメリカだったらどれほどのことになるか...」
(2)「確かに支援すべきかもしれない。でも、我が国(米国)だって、トルネード(竜巻)で南部アラバマとミシシッピが大洪水で大きな被害が出ている。今支援すべきは自国の人々じゃないのか。」
(3)「我が国(米国)の自動車産業は既にその半分以上が彼ら(日本)に奪われてしまってる。これ以上、何の支援が必要なのか。日本を襲った津波は確かに恐るべき被害だとは思う。だが、我が国が今直面している自然災害の惨状、それに破たんしつつある経済状況を考えれば、他国を支援する状況じゃない」

 この3つのコメント、アメリカ人の立場からすれば、当然すぎるほど当然の感想だと思いませんか。アメリカだって大変なんだ。昔みたいに、アメリカだけが世界の中で際立って豊かだった時代は、もうとっくに終わっている。自動車産業だって、日本に奪われた。レーマンショック後の経済苦境が地方経済に暗い影を今も落とし続けている。工場のリストラ、州からの補助金の削減、下級公務員のリストラ、そんなニュースばかりじゃないか。既に日本には十分な援助をしたじゃないか。これ以上まだ、あの豊かな国になんの援助が必要か? そんな雰囲気が読み取れます。

 で、思い切って、この投書欄にコメントを入れました。こんなこと初めてですけれど、とにかく「日本人として感謝します」というメッセージを伝えたかったので、ストレートにそう書いてコメントを付けてみました。アメリカ軍の驚くべき「友達作戦」、米国赤十字からの莫大な義援金、そんなこんなの親切に対して、東京在住の一日本人として心から感謝しますと、コメントを入れてみました。

 これまでは、こうしたこと、恥ずかしくてできませんでした。でも今回は、行動が必要だと感じました。自分一人でも、アメリカの小さなコミュニティの人々に思いを伝えることができる。だって、募金活動の日時と場所のリスト見たら、泣けちゃいますよ。

 イラクやアフガンのこと思えば、いろいろありますよね、アメリカに対しては。でも、「草の根」の人たちの中には、びっくりするくらい素朴で親切な思いを持っている人たちがいる。これもまた、すごく本当の事実です。

 昨年の秋、そんな「草の根のアメリカ人たち」と共に、オクラホマ〜テキサス〜ニューメキシコを巡る、3500キロに及ぶ長距離ドライブを経験しました。だから、彼らに対する思いがある。それがあるからこそ、「ああ、あの感じで募金活動やってるんだ」という感覚がわかる。思いを共有できる。だから、コメントをつける気になったという部分があります。人間、そんなものですよね。

 

  きょうのお話は、ここまで。

  面白いお話、出てこい。
    もっと早く、もっとたくさん。

2011/5/23

■■■■■■■■■

『アンティークシルバー物語』大原千晴
  主婦の友社     定価 \2,100-

  イラスト:宇野亞喜良、写真:澤崎信孝

  

  

ここには、18人の実在の人物たちの、様々な人生の断面が描かれています。この18人を通して、銀器と食卓の歴史を語る。とてもユニークな一冊です。

本書の大きな魅力は、宇野亞喜良さんの素晴らしいイラストレーションにあります。18枚の肖像画と表紙の帯そしてカトリーヌ・ド・メディシスの1564年の宴席をイメージとして描いて頂いたものが1枚で、計20枚。

私の書いた人物の物語を読んで、宇野亞喜良さんの絵を目にすると、そこに人物の息遣いが聞こえてくるほどです。銀器をとおして過ぎ去った世界に遊んでみる。ひとときの夢をお楽しみ下さい。

2009/11/23

■講座のご案内

 2011年も、様々な場所で少しずつ異なるテーマでお話させて頂く機会があります。

「ヨーロッパの食卓の歴史的な変遷を、これまでにない視点から、探訪する。」が基本です。

 歴史の不思議な糸で結ばれた、様々な出来事の連なりをたぐり寄せてみる。そんな連なりの中から、食卓という世界を通して見えてくる、人々の社会と暮らしの面白さ。これについてお話してみたい。常にそう考えています。

詳しくは→こちらへ。